この記事のポイント
- LLMは「次の言葉を予測する」仕組みで動く大規模AIモデルで、ChatGPTやClaudeなどのサービスの基盤技術
- ローカルLLMを使えば、プライバシーを守りながら自分のパソコンでAIを動かせる
- LM Studio(初心者向け)やOllama(開発者向け)を使えば、誰でも手軽にローカルLLMを始められる
はじめに
「ChatGPTやClaudeを使っているけど、そもそもLLMってどんな仕組みなの?」「AIを自分のパソコンで動かしてみたいけど、難しそう」
そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
この記事(前編)では、LLM(大規模言語モデル)の基本的な仕組みから、自分のパソコンで動かす「ローカルLLM」の始め方、そしてすぐに使える便利ツールまでをやさしく解説します。
後編では、AIをカスタマイズする方法(プロンプトエンジニアリング・RAG・ファインチューニング)や、AIの学習の仕組みについて解説しています。あわせてご覧ください。
LLMとは何か
LLMはLarge Language Model(大規模言語モデル)の略で、大量の文章を学習して「人間のように文章を書けるAI」のことです。
仕組みはシンプルで、「次にくる言葉を予測する」ことを超高速に繰り返しています。
入力: 「今日の天気は」
↓ AIが次の言葉を予測
出力: 「晴れです」
インターネット上の膨大なテキスト(本、ウェブサイト、論文など)を読んで学習しており、何百億もの単語の関係をデータとして蓄えています。ただし、AIが言葉の意味を「理解」しているわけではなく、パターンから「それっぽい答え」を生成しているという点は押さえておきましょう。
パラメータ(学習した数値)の数が多いほど、一般的に賢くなる傾向があります。
代表的なLLMサービス
| サービス名 | 開発元 | 特徴 |
|---|---|---|
| ChatGPT | OpenAI | 世界で最も有名な対話型AI |
| Claude | Anthropic | 長文の理解と安全性に強い |
| Gemini | Google検索との連携が得意 | |
| Copilot | Microsoft | Office連携に強い |
| Rakuten AI | 楽天 | 楽天サービスとの連携 |
| Perplexity | Perplexity AI | Web検索に特化 |
これらはすべてLLMを基盤としたサービスです。サービスごとに得意分野が異なるので、目的に応じて使い分けるのがおすすめです。
ローカルLLMという選択肢
普段使っているChatGPTなどはクラウド(インターネット上のサーバー)で動いています。一方、ローカルLLMは自分のパソコンの中で動かすAIです。
クラウドLLM:
あなたのPC → インターネット → 巨大なサーバー → 回答が届く
ローカルLLM:
あなたのPCの中だけで完結!
なぜローカルLLMが注目されているのか
ローカルLLMが注目される最大の理由はプライバシーです。個人情報や秘密のデータを外部に送らずにAIを使えます。加えて、自分好みにカスタマイズできる自由度、インターネットがなくても使えるオフライン対応、API料金がかからない無料運用といったメリットもあります。
クラウドLLMとの比較
| 項目 | クラウドLLM | ローカルLLM |
|---|---|---|
| 必要なもの | インターネット接続 | 高性能なPC |
| 料金 | 無料〜月額課金 | 基本無料(電気代のみ) |
| プライバシー | データがサーバーに送られる | データが外に出ない |
| 性能 | とても高い | PCの性能に依存する |
| カスタマイズ | ほぼできない | 自由にできる |
クラウドLLMは手軽に高性能なAIを使える反面、データがサーバーに送られます。ローカルLLMはデータが外に出ない代わりに、PCの性能に依存します。用途に応じて使い分けるのがベストです。
必要なPCスペックの目安
「ローカルLLMを動かすには高性能なPCが必要」と聞くと尻込みしてしまうかもしれませんが、小さなモデルなら一般的なPCでも動かせます。
| モデルサイズ | 必要なRAM | GPU(グラボ) | 体感 |
|---|---|---|---|
| 1〜3B | 8GB | なくてもOK | スマホレベルの会話 |
| 7〜8B | 16GB | あった方がよい | 日常会話レベル |
| 13〜14B | 32GB | 必要(VRAM 8GB〜) | かなり賢い |
| 70B以上 | 64GB以上 | 必要(VRAM 24GB〜) | ChatGPTに近い性能 |
BはBillion(10億)の意味です。7Bなら70億個のパラメータを持つモデルということになります。まずは7〜8Bクラスのモデルから試してみるのがおすすめです。
ローカルLLMを動かすためのツール
ローカルLLMを手軽に使うためのツールを3つ紹介します。
Hugging Face ― AIモデルのアプリストア
Hugging Faceは「AIモデルのGitHub」のような存在です。世界中の研究者や企業が作ったAIモデルが公開されていて、誰でもダウンロードして使えます。
数十万以上のAIモデルが公開されているほか、学習用のデータセットも見つかります。一部のモデルはブラウザ上でそのまま試すこともできます。
代表的なオープンモデルとしては、MetaのLlama、GoogleのGemma、Mistral AIのMistral、AlibabaのQwen(日本語にも強い)などがあります。
Hugging Face = AIのアプリストア
├── モデル(アプリ本体)
├── データセット(学習データ)
└── Spaces(デモページ)
LM Studio ― 初心者に最もおすすめ
LM Studioはパソコンにインストールするだけで、クリック操作でAIモデルをダウンロードして使えるツールです。プログラミングの知識がなくても使えるのが最大の魅力です。
GUI(画面操作)で使えるのでコマンド入力は不要で、ChatGPTのようなチャット画面で会話できます。Hugging Faceのモデルを検索・ダウンロードする機能も内蔵されており、Windows / Mac / Linuxに対応しています。
使い方のイメージ:
1. LM Studioをインストール
2. 好きなモデルを検索してダウンロード(例: Llama 3 8B)
3. モデルを読み込む
4. チャット画面で会話開始
Ollama ― コマンドラインで使う軽量ツール
Ollamaはコマンドライン(ターミナル)からローカルLLMを使うツールです。シンプルなコマンドだけでモデルのダウンロードと実行ができます。
# モデルをダウンロードして起動(これだけ!)
ollama run llama3
# 会話が始まる
>>> こんにちは!今日は何を手伝いましょうか?
軽量で高速、プログラムからAIを呼び出すのも簡単(API対応)です。Windows / Mac / Linuxに対応しています。
LM StudioとOllamaの使い分け
| 項目 | LM Studio | Ollama |
|---|---|---|
| 操作方法 | マウスでクリック | コマンドを入力 |
| 難易度 | 簡単 | 少し慣れが必要 |
| プログラム連携 | できる | とても得意 |
| おすすめの人 | 初心者 | プログラミング経験者 |
まずはLM Studioで試してみて、慣れてきたらOllamaに移行するのがスムーズです。
まとめ
LLMは「次の言葉を予測する」という仕組みで動く大規模AIモデルで、ChatGPTやClaudeといったサービスの基盤技術です。
クラウドで動くAIだけでなく、自分のパソコンで動かす「ローカルLLM」という選択肢もあります。プライバシーを守りたい場合や、自由にカスタマイズしたい場合に向いています。LM StudioやOllamaを使えば、プログラミングの知識がなくても手軽に始められます。
次の一歩として、まずはLM Studioをインストールして、小さなモデルで会話を試してみてはいかがでしょうか。
後編では、「AIを自分の目的に合わせてカスタマイズする方法」を解説します。プロンプトエンジニアリング、RAG、ファインチューニングの使い分けから、AIの学習の仕組みまで、こちらもあわせてお読みください。
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