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gstack入門:Claude Codeを「AIチーム」に変えるスキルセット

この記事のポイント

  • Y Combinator CEOが自分の開発フローを丸ごと公開した「gstack」というClaude Code用スキルセットがある
  • 1つのAIに全部任せるのではなく、CEO・エンジニア・QAなどの役割を切り替えて使う発想
  • 企画レビューからリリース、ふりかえりまでをコマンド1つで呼び出せる

はじめに

Claude Codeを使って開発している方なら、こんな経験はないでしょうか。

「コードを書いてもらったけど、レビューも同じAIにお願いしたら、自分のコードに甘い評価をしてしまった」 「企画から実装、テストまで全部1つのチャットでやっていたら、途中で何をやっていたかわからなくなった」

AIを1人の「なんでも屋」として使うと、どうしてもこういった問題が起きがちです。

そんな課題を解決するために、Y Combinator(世界的に有名なスタートアップ支援組織)のCEOであるGarry Tan氏が、自分のClaude Code開発フローをそのまま公開しました。それが「gstack」です。

gstackとは?

gstackは、Claude Codeに追加できる「スキル(skills)セット」です。MIT ライセンスのオープンソースとしてGitHubで公開されています。

コンセプトはシンプルで、Claude Codeを「1人のアシスタント」から「役割分担された開発チーム」に変えるというものです。

具体的には、/plan-ceo-review/review/ship などのスラッシュコマンドが追加され、開発フェーズごとに違う「専門家モード」を呼び出せるようになります。

各コマンドの役割

gstackには8つのコアコマンドが用意されています。この記事ではそのすべてを紹介します。

/plan-ceo-review(CEO視点の企画レビュー)

「そもそも何を作るべきか?」をCEO視点で問い直すコマンドです。作ろうとしている機能を「10-star体験」(最高のユーザー体験)に引き上げるために、企画段階からレビューします。

/plan-eng-review(設計レビュー)

エンジニアリングマネージャー視点で、設計・データフロー・失敗パターン・テスト観点までを詰める設計レビューです。「作る前に設計を固める」というフェーズを明確に分けられます。

/review(コードレビュー)

Staff Engineer(ベテランエンジニア)役として、パラノイアなレビューを行います。CIテストは通るのに本番で落ちそうなバグ、境界条件、セキュリティ上の地雷を洗い出すのが目的です。

通常のClaude Codeだと、自分が書いたコードに対して「いいですね!」と甘い評価をしがちですが、このコマンドを使うと厳しい目線でチェックしてくれます。

/ship(自動リリース)

Release Engineer役として、mainブランチとの同期 → テスト実行 → 必要なら修正 → push → PR作成までを自動化する「ワンコマンド出荷」です。

/browse(ブラウザ操作)

常駐のPlaywright(ブラウザ自動操作ツール)とChromiumを使い、ログイン → クリック → スクリーンショット撮影 → コンソール確認までを自動で行うブラウザQA用コマンドです。

/qa(自動QA)

git diff(変更差分)を読み、影響がありそうなページやルートを推定して、自動で「踏み抜きテスト」をするQAエンジニア役です。

/setup-browser-cookies(Cookie取り込み)

自分のChromeやArc等のCookieを取り込み、「ログイン済み状態」で/browseやQAを実行できるようにする設定コマンドです。

/retro(ふりかえり)

コミットログなどをもとに、開発のふりかえりとフィードバックをテンプレート化するレトロスペクティブ用スキルです。

通常のClaude Codeとの違い

観点通常のClaude Codegstack導入後
役割1人の汎用アシスタントCEO / EM / Staff Eng / QA など複数ロール
プランニングコードと一緒に軽く検討/plan-ceo-review /plan-eng-review で企画・設計を分離
レビュー1パスでざっくり確認/review で本番事故を想定した厳しいチェック
QA手動でブラウザ操作/browse /qa で自動クリック・スクショ・テスト
リリース手動でPR作成/ship でテストからPR作成まで自動化
ふりかえり人間が手動で実施/retro でコミットベースの自動レトロ

開発ワークフローの流れ

gstackを使った一連の開発フローは、以下のようなイメージです。

  1. /plan-ceo-review でチケットの企画を「10-star体験」に引き上げる
  2. /plan-eng-review で設計を詰める(データフロー、失敗パターン、テスト観点)
  3. 実装する(通常のClaude Codeでコーディング)
  4. /review でパラノイアなコードレビュー
  5. /browse /qa でブラウザを使った自動QA
  6. /ship でテスト → push → PR作成まで自動出荷
  7. /retro でふりかえり

「企画 → 設計 → 実装 → レビュー → QA → リリース → ふりかえり」という開発サイクル全体を、AIチームに分業させるイメージです。

導入方法

gstackの導入は比較的シンプルです。インストール方法はバージョンで変わる可能性があるため、実際に導入するときは必ずGitHubの公式READMEを確認してください。

  1. GitHubからgstackをcloneする
git clone https://github.com/garrytan/gstack ~/.claude/skills/gstack
cd ~/.claude/skills/gstack
./setup
  1. プロジェクトのCLAUDE.mdに、gstackを使うことや利用可能なコマンド一覧を追記する

  2. Claude Codeのチャットやターミナル内で /plan-ceo-review などのコマンドを呼び出して利用開始

ワンライナーに近い手順で、ローカルのClaude Code環境にスキルを追加できます。

gstackが解決する本質的な課題

gstackの面白いところは、単なるツール追加ではなく「AIの使い方の発想を変える」点にあります。

プランとレビューを明確に分けることで、AIが自分の書いたコードに甘い評価をする「ゴム判レビュー」問題を防げます。企画を考えるAIとレビューするAIは、別の役割(ペルソナ)で動くため、より客観的なフィードバックが得られるわけです。

一方で、コンテキストウィンドウ(AIが一度に扱える情報量)を圧迫しないかという懸念や、個人開発には過剰設計ではないかという議論もあります。チーム開発や本番サービスの開発では特に威力を発揮しそうですが、規模に合わせて使うコマンドを選ぶのがよいでしょう。

まとめ

項目内容
gstackとはClaude Code用のスキルセット(OSS)
開発者Garry Tan氏(Y Combinator CEO)
コンセプトAIを「1人の万能アシスタント」から「役割分担されたチーム」に変える
コアコマンド(8つ)/plan-ceo-review, /plan-eng-review, /review, /ship, /browse, /qa, /setup-browser-cookies, /retro
導入方法GitHubからclone → setup実行 → CLAUDE.mdに追記
向いている場面チーム開発、本番サービス開発、品質を重視するプロジェクト

AIを「1人のアシスタント」として使うだけでなく、「役割を持ったチーム」として使う。gstackはそんな新しいAI活用の形を提案しています。

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