Vertex AIとは?Googleが提供する企業向けAIプラットフォームをやさしく解説

この記事のポイント

  • Vertex AIはGoogleが提供する企業向けAI開発・運用プラットフォーム
  • AutoMLでコードを書かずに機械学習モデルを作成できる(基本的なデータ知識は必要)
  • 従量課金制が基本で小規模から始められる(インフラ費用も要確認)

はじめに

「AIを業務に活用したいけど、どこから始めればいいかわからない」「ChatGPTは使えるけど、もっと自社に特化したAIを作りたい」

そんな悩みをお持ちの方におすすめなのが、Googleが提供するVertex AIというサービスです。

Vertex AIは、専門的なプログラミング知識がなくても、自社のデータを使ったAIモデルを作成・運用できるプラットフォームです。この記事では、Vertex AIの基本的な概念から、中小企業でも活用できるポイントまでをやさしく解説します。

Vertex AIとは?

Googleが提供する統合AIプラットフォーム

Vertex AIは、Google Cloudが提供する機械学習プラットフォームです。2021年にサービスが開始され、それまで別々に提供されていたGoogleのAI関連サービスが一つに統合されました。

簡単に言うと、Vertex AIは「AIを作る工場と、それを動かす運用システムがセットになったサービス」です。

Vertex AIでできること

できること具体例
AIモデルの作成画像認識、文章分類、需要予測など
モデルのトレーニング自社データを使った学習
モデルの運用APIとして公開、定期的な再学習
生成AIの活用Gemini(Googleの最新AI)を利用

AutoML:コードを書かずにAIモデルを作成

AutoMLとは?

Vertex AIの中でも特に注目したいのがAutoML(オートML)機能です。

AutoMLは、GUIベースの操作でコードを書かずに機械学習モデルを作成できる機能です。通常、機械学習モデルを作るには専門的な知識が必要ですが、AutoMLを使えばモデル構築の多くの工程を自動化できます。

ただし、「データを入れれば何でも自動でできる」というわけではありません。データスキーマの設計やラベル付け、評価指標の理解など、ある程度のデータ準備やタスク設計の基本知識は必要です。「コードは不要だが、データとやりたいことの整理は必要」と考えておくとよいでしょう。

AutoMLで作成できるモデルの例

  1. 画像分類 - 商品写真を自動でカテゴリ分け
  2. テキスト分類 - 問い合わせメールを内容別に振り分け
  3. 需要予測 - 過去の売上データから将来の需要を予測
  4. 異常検知 - 製造ラインの不良品を自動検出

中小企業がVertex AIを使うメリット

従量課金制で初期費用を抑えられる

Vertex AI自体は使った分だけ支払う従量課金制です。前払いライセンスのような形態ではないため、小規模から始めて徐々に拡大することができます。

ただし、実際の利用時にはGPU・CPU・ストレージなどGoogle Cloudの他のインフラリソースの費用も発生します。また、エンタープライズ契約では最低利用額やコミットが必要になるケースもあるため、事前にコスト試算をしておくことをおすすめします。

Googleの最新技術をすぐに使える

GeminiをはじめとするGoogleの最新AI技術を、自社のシステムに組み込むことができます。自社で一から開発するよりも、はるかに低コスト・短期間で導入可能です。

セキュリティが高い

Google Cloudの強固なセキュリティ基盤の上で動作するため、企業の機密データも安心して扱えます。

導入時の現実的なポイント

メリットは多いですが、実務的にはデータ整備や要件定義に加え、Google Cloud全般の知識(IAM、ネットワーク、請求管理など)も必要になります。社内にクラウドやデータに詳しい担当者がいるとスムーズに進められるでしょう。外部パートナーの支援を受けるのも有効な選択肢です。

Vertex AIの始め方

Vertex AIを始めるには、以下の手順で進めます。

  1. Google Cloudアカウントを作成
    • 新規登録時に無料クレジットが付与されます
  2. プロジェクトを作成
    • 用途ごとにプロジェクトを分けて管理できます
  3. Vertex AIを有効化
    • コンソールからVertex AIを有効にします
  4. データを準備
    • CSVやスプレッドシートでデータを用意します
  5. AutoMLでモデルを作成
    • ウィザード形式で簡単に設定できます

ChatGPTとVertex AIの違い

「ChatGPTがあるのに、なぜVertex AIが必要なの?」という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。以下はざっくりとしたイメージでの比較です(実際にはプランや利用形態によって異なります)。

項目ChatGPTVertex AI
主な用途対話・文章生成様々なAIモデルの開発・運用
カスタマイズAPI活用で拡張可能自社データで独自モデル作成可能
セキュリティEnterprise版で専用環境ありGoogle Cloudの基盤上で運用
料金体系定額制+API従量課金従量課金が基本

どちらも利用形態やプランによって特徴が変わりますが、大まかに言うと、ChatGPTは「すぐに使える汎用AI」、Vertex AIは「自社専用のAIを作るための基盤」という位置づけです。

まとめ

ポイント内容
Vertex AIとはGoogleの統合AIプラットフォーム
特徴AutoMLでコードを書かずにモデル構築が可能
料金従量課金が基本、インフラ費用も考慮が必要
活用シーン画像認識、文章分類、需要予測など

Vertex AIは、専門知識がなくてもAIを活用したい企業にとって、有力な選択肢の一つです。まずは無料クレジットを使って、小さなプロジェクトから試してみることをおすすめします。

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