この記事のポイント
- プログラミング不要でAIを試せる無料プラットフォーム
- 文章要約、翻訳、画像生成、OCRなどすぐに使えるAIが豊富
- 自社の業務に使えそうなAIを無料で検証できる
はじめに
「AIを業務に取り入れたいけど、何から始めればいいかわからない…」
「最新のAIモデルを試してみたいけど、環境構築が難しそう…」
そんな方にぜひ知っていただきたいのが Hugging Face(ハギングフェイス) です。
公式サイト: https://huggingface.co/
Hugging Faceは、世界中の企業や研究者が公開しているAIモデルを無料で試せるプラットフォームです。「AIのGitHub」とも呼ばれ、文章の要約・翻訳・画像認識など、さまざまなAIが公開されています。
特徴的なのは、多くのAIモデルがブラウザ上でそのまま試せること。 プログラミングの知識がなくても、「このAIは自社の業務に使えそうか?」を手軽に検証できます。
Hugging Faceでできること
それでは、Hugging Faceで何ができるのか、具体的に見ていきましょう。
1. プログラミング不要でAIを試せる
Hugging Faceには、以下のようなAIモデルが豊富に公開されています。
| カテゴリ | できること | 業務での活用例 |
|---|---|---|
| 文章処理 | 要約、翻訳、文章生成 | 議事録の要約、海外資料の翻訳 |
| 画像認識 | OCR、物体検出、分類 | 請求書の読み取り、在庫管理 |
| 音声処理 | 文字起こし、音声認識 | 会議の文字起こし、音声入力 |
使い方はとても簡単です。 画面に文章や画像を入力してボタンを押すだけ。前回の記事で紹介したDots-OCRも、Hugging Face上で公開されているAIの一つです。
「この業務、AIで効率化できないかな?」と思ったら、まずHugging Faceで似たようなAIを探して試してみる。それがAI活用の第一歩になります。
2. 自分だけのAIデモを無料で公開できる
「試してみたAIをもっと使い込みたい」「社内で共有したい」という場合は、Spaces(スペース) という機能を使って、ブラウザで動くデモアプリを作成・公開できます。
ここからは少しコードが出てきますが、手順に沿って進めれば作成できます。実際に私が作った簡易OCRアプリを例に説明します。
ステップ1:コードを準備する
今回は、画像から文字を読み取るOCRアプリを作成します。使用するのは以下の2つです。
- EasyOCR:80以上の言語に対応したOCRライブラリ(日本語・英語対応)
- Gradio:PythonでWebアプリのUIを簡単に作れるライブラリ
以下のコードをコピーして使えます。
import gradio as gr
import easyocr
reader = easyocr.Reader(["en", "ja"])
def ocr_image(img):
if img is None:
return "画像をアップロードしてください。"
results = reader.readtext(img, detail=0)
return "\n".join(results)
demo = gr.Interface(
fn=ocr_image,
inputs=gr.Image(type="numpy", label="画像をアップロード"),
outputs=gr.Textbox(label="読み取ったテキスト"),
title="簡易OCRデモ",
description="画像から文字を読み取るシンプルなOCRデモです。"
)
if __name__ == "__main__":
demo.launch()
# ライブラリ
easyocr
gradio
torch
上のPythonコードをapp.py、ライブラリ一覧をrequirements.txtという名前で保存します。
ステップ2:Hugging FaceでSpaceを作成する
Hugging Faceにアクセスし、ヘッダーの「Spaces」をクリックします。 「New Space」ボタンから新しいアプリを作成できます。
以下の項目を入力します。
入力項目
| 項目 | 説明 | 今回の設定例 |
|---|---|---|
| Space name | アプリの名前(URLの一部になります) | simple-ocr-demo |
| Short Description | アプリの説明 | ocr demo |
| License | ライセンスの種類 | MIT |
| Space SDK | 使用するフレームワーク | Gradio |
| Space hardware | 実行環境 | CPU basic(無料) |
| Visibility | 公開範囲 | Public または Private |
ステップ3:ファイルをアップロードして完成
作成したSpaceに、先ほど準備したapp.pyとrequirements.txtをアップロードします。
アップロード後、自動でアプリがビルドされ、しばらくするとデモアプリが立ち上がります。
これで、ブラウザからアクセスできるOCRアプリが完成です! URLを共有すれば、社内のメンバーにも試してもらえます。
料金:基本無料で始められる
Hugging Faceは基本無料で利用できます。
| 機能 | 無料でできること |
|---|---|
| AIモデルを試す | ブラウザ上で自由に試せる |
| Spacesでアプリ公開 | CPU basicで無料公開 |
| データセットの利用 | 無制限で利用可能 |
無料枠の注意点
- 処理速度: CPU basicでは、画像生成AIなど重い処理は時間がかかる場合があります
- スリープ機能: 一定時間アクセスがないとアプリが休止状態になります(再アクセスで起動)
社内での検証用や小規模デモであれば、無料枠で十分対応できます。より高速な処理が必要になった場合は、有料のGPUプランも選択可能です。
まとめ:まずは触ってみることから
Hugging Faceは、AIを業務に取り入れる第一歩として最適なプラットフォームです。
| やってみること | 難易度 | ポイント |
|---|---|---|
| AIモデルを試す | ★☆☆ | プログラミング不要、ブラウザだけでOK |
| デモアプリを作る | ★★☆ | Gradioで簡単に作成・社内共有 |
AI活用を始める3ステップ
- 探す - Hugging Faceにアクセスして、業務に使えそうなAIを探す
- 試す - 実際にデータを入れて、精度や使い勝手を確認する
- 共有する - 良さそうなものがあれば、Spacesでデモを作って社内で検証
「このAI、うちの業務に使えそう」という発見が、AI活用の出発点になります。
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